25.03.14
近年、ITシステムの導入が不可欠となる中、災害やシステム障害、サイバー攻撃などのリスクに備える対策が重要になっています。
今回は、IT-BCP(ITシステムにおける事業継続計画)の概要から具体的な対策、策定のポイントなどをわかりやすく解説します。
IT-BCPとは、ITシステムにおけるBCP対策であり、緊急時にもビジネスに必要なITシステムの運用を維持することを目的とします。
現代のビジネスにおいて、ITシステムは基盤的な存在であり、一つのシステムが停止するだけで、事業全体に大きな損害が生じる可能性があります。特に、重要なデータを保持するシステムに異常が発生した場合、企業の存続に関わる事態にもなりかねません。
また、サイバー攻撃のようにITシステム特有のリスクも存在します。これらの脅威から企業を守るためには、適切なIT-BCPの策定が不可欠です。
BCP(Business Continuity Plan)とは、事業継続計画とも呼ばれ、災害などの緊急時において、事業への被害を最小限に抑え、事業を可能な限り中断せずに継続させるための計画です。
BCPでは、以下の内容を具体的に定めます。
・復旧を優先すべき事業(中核事業)
・中核事業の目標復旧時間
・緊急時のサービスレベル
・設備・拠点の代替案
・社内でのBCP共有
BCPの策定は、法的に義務付けられているわけではありません。しかし、災害対策を怠ることで、事業継続が困難になり、大きな損害を被る可能性があります。事業中断によるビジネス機会の損失や、取引先からの契約違反による訴訟リスクなどを回避するためにも、BCPを策定しておくことが重要です。
ITシステムを脅威から守り、事業継続を可能にするための具体的な対策を紹介します。
データ消失は、企業にとって致命的な損失につながる可能性があります。定期的なデータバックアップを、クラウドや遠隔地のデータセンターに सुरक्षितに保管しましょう。
災害時は、オフィスで通常通りの業務遂行が困難になります。代替機の準備やリモートワーク環境の整備を進め、柔軟な働き方を実現できるようにしておきましょう。
緊急時でもスムーズな情報伝達が重要です。代替の連絡手段を事前に定めておき、安否確認システムなどの導入も検討しましょう。また、緊急時の指揮系統を明確化し、混乱を最小限に抑える体制を構築しておくことが大切です。
CSIRTは、インシデント発生時の原因究明や被害拡大防止を目的とした組織です。平時からCSIRTを設置し、インシデント対応能力を高めておくことが重要です。
IT-BCPを策定する上で、以下の点を意識しましょう。
経済産業省などが公開しているIT-BCPに関するガイドラインを参照し、適切な対策を検討しましょう。
マッピングなどを活用し、復旧計画を可視化することで、現状把握や優先順位付けが容易になります。
IT-BCPは、BCP対策全体との整合性が重要です。IT部門だけでなく、事業全体を見据えた計画を策定しましょう。
ITシステムの重要性が増す現代において、IT-BCP対策は企業にとって不可欠な取り組みです。
この記事を参考に、自社のIT-BCPを見直し、より強固な事業継続体制を構築してください。
BCP対策に関するご相談やIT-BCPソリューションについては、お気軽にお問い合わせください。