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  • サーバーの種類とそれぞれの特徴、導入時のポイント

    はじめに

    自社でサーバーの構築を検討しているものの、「どのサーバーを選べばいいのか」「それぞれの種類にどんな利点があるのか知りたい」と悩んでいませんか?
    自社の目的に合ったサーバーを選ぶには、それぞれのサーバーの特性を理解しておくことが重要です。
    この記事では、サーバーの種類ごとのメリット・デメリットに加え、導入時に考慮すべき点を解説します。

    サーバー選択ガイド ~長所と短所を徹底解説~

    サーバーには様々なタイプがあり、それぞれ異なる特性を持っています。貴社の利用目的や環境に合わせて、最適なサーバーを選択しましょう。

    自社サーバー(オンプレミス)

    自社サーバーとは、サーバー機器を自社で購入し、その設定から運用、管理までを自社で行う形態です。

    メリット

    高いカスタマイズ性

    自由にシステムを構築・変更できます。

    強固なセキュリティ

    外部からの影響を受けにくく、セキュリティを自社で管理できます。

    既存システムとの連携

    社内の既存システムと連携しやすいです。

    デメリット

    高額な初期費用

    機器購入費や設置費用など、導入に多額のコストがかかります。

    専門人材の必要性

    運用・保守には専門知識を持つ人材が不可欠です。

    ゼロから自社で構築するため、自由にカスタマイズできる点が大きな利点です。既存の社内システムと連携させた柔軟な構築も可能です。また、社内ネットワーク経由でサーバーにアクセスするため、外部からの影響を受けにくく、高いセキュリティを確保できます。

    しかし、セキュリティ対策やメンテナンスなど、すべて自社で対応する必要があるため、専門知識を持つ人材の確保が欠かせません。サーバー本体の購入費用、人件費、専用スペースの設置など、運用開始までに多くの初期費用も発生します。


    レンタルサーバー

    レンタルサーバーは、インターネットを介して、専門事業者が管理するサーバーを利用するサービスです。
    自社のウェブサイトデータをレンタルサーバーに預けると、ユーザーはそのサーバーにアクセスして閲覧する仕組みです。基本的に事業者側がサーバーの設定・運用・管理を行うため、自社サーバーに比べて導入しやすいのが特徴です。
    ここでは、レンタルサーバーの主な4つの種類について解説します。


    共用サーバー

    共用サーバーは、1台のサーバーを複数のユーザー(他の企業や個人)と共有して利用するタイプです。

    メリット

    低コスト

    専用サーバーに比べて初期費用や月額費用が安価です。

    導入のしやすさ

    専門知識がなくても手軽に利用開始できます。

    デメリット

    設定の制限

    サーバーの設定を自由にカスタマイズすることはできません。

    他ユーザーの影響

    他のユーザーのサイトへのアクセスが集中すると、自社サイトの表示速度に影響が出る場合があります。

    サーバーの構築や運用・管理が不要なため、費用の負担が少ない点がメリットです。また、専門知識がなくてもすぐに導入して利用できる点も特徴です。

    しかし、複数のユーザーと利用するため、他のユーザーのウェブサイトにアクセスが集中した場合、自社サイトも重くなり、表示速度が低下する可能性があります。


    専用サーバー

    専用サーバーは、1台のサーバーを1ユーザーで占有して利用するタイプです。

    メリット

    高いカスタマイズ性

    サーバーの管理権限があり、自由にカスタマイズできます。

    安定した稼働

    容量不足や他ユーザーの影響を心配せず、負荷の高いデータも安定して処理できます。


    デメリット

    共用サーバーより高コスト

    利用料金が共用サーバーよりも高くなります。

    専門知識が必要

    サーバーの設定や運用・管理に専門的な知識が求められます。

    レンタルしたサーバーを自社だけで利用できるため、容量不足や他のユーザーからの影響を受ける心配がありません。ネットワークも安定しやすく、大規模なウェブサイトの運用や大量のデータ処理も安心して行えます。

    また、サーバーの管理権限があるため、自社サーバーのようにカスタマイズ性が高い点も魅力です。 一方で、サーバーの設定から運用・管理まで自社で行う必要があるため、専門的な知識が求められ、コストや手間も多くかかります。ただし、サーバーの運用・管理を事業者に任せられる「マネージドサーバー(プラン)」もあり、「安定した運用を実現したいけれど、サーバーの運用・管理に不安がある」という方におすすめです。


    VPS(仮想専用サーバー)

    VPS(Virtual Private Server:仮想専用サーバー)は、専用サーバーと共用サーバーの中間に位置し、1台の物理サーバー上に複数の仮想的な専用サーバーを構築して利用するタイプです。

    メリット

    他ユーザーの影響を受けにくい

    仮想的に分割されているため、共用サーバーより他ユーザーの影響を受けにくいです。

    高いカスタマイズ性

    専用サーバーに近い自由度で設定・カスタマイズが可能です。

    デメリット

    専門知識が必要

    専用サーバーと同様に、サーバーの運用・管理に専門知識が求められます。

    自社での運用・管理

    サーバーの設定から運用・管理まで自社で行う必要があります。

    複数のユーザーと共用ではありますが、1つの仮想専用サーバーが1ユーザーに割り当てられます。そのため、専用サーバーのように他のユーザーの影響を受けにくく、カスタマイズ性も高い点がメリットです。

    しかし、デメリットも専用サーバーと同様で、サーバーの設定から運用・管理を行う必要があるため、専門的な知識が求められます。


    クラウドサーバー

    クラウドサーバーは、クラウド上に仮想サーバーを構築して利用するサービスです。

    メリット

    柔軟なリソース変更

    容量やスペックの増減、機能追加などが容易に行えます。

    複数人でのアクセス

    アクセス権があれば、社内の複数人が同時に利用できます。

    デメリット

    変動する費用

    従量制プランの場合、使用量によって月額料金が変動し、費用予測が難しいことがあります。

    セキュリティがサービスに依存

    セキュリティ対策は、利用するクラウドサービスの提供内容に依存します。

    VPSと似ていますが、利用者の希望に応じてサーバーの容量やスペック、機能追加などを容易に変更できる点が大きな違いです。また、アクセス権があれば、社内の複数人が同時にアクセスすることも可能です。

    しかし、従量制プランを選択している場合は、使用量によって月額料金が変動するため、固定費として予測しにくいというデメリットもあります。 最近では、自社サーバーとクラウドサーバーを組み合わせたハイブリッドクラウドも注目を集めています。

    サーバー導入時の注意点

    サーバーの導入には様々なメリットがある一方で、導入後のトラブルを防ぐために知っておきたい注意点があります。

    セキュリティ対策を考慮して選ぶ

    サーバー構築においては、セキュリティ面への配慮が不可欠です。サイバー攻撃やウイルス感染などを防ぐためには、適切なセキュリティ対策が施されているサーバーを選ぶ必要があります。

    自社サーバーや専用サーバーであれば、外部からのアクセスに対する心配が少なく、セキュリティ性が高いと言えます。
    しかし、自社で管理するデータを守るためにも、サーバーの管理権限を適切に設定することが重要です。

    利用目的に合った種類を選ぶ

    サーバーには様々な種類があり、それぞれメリット・デメリットが異なります。貴社の利用目的に合ったサーバーを選ぶことが非常に大切です。サーバーの種類によって、性能やセキュリティレベルに大きな違いがあります。

    例えば、従業員数が10名程度で簡易的なウェブサイトのデータを保管したい場合、自社サーバーや専用サーバーを選ぶと費用負担が大きくなりすぎることがあります。反対に、大量の顧客データを扱う場合、共用サーバーを選ぶと容量不足や安定した運用ができないといった問題につながる可能性があります。

    サーバー選びは「何に使うか」が決め手

    これまでの説明で、様々なサーバーの種類とその特徴、導入時のポイントを理解いただけたかと思います。しかし、実際にどのサーバーを選ぶべきか、具体的なイメージが湧きにくいと感じるかもしれません。そこで重要になるのが、「そのサーバーを何に使うのか?」という用途の視点です。用途が明確になれば、最適なサーバーが自ずと見えてきます。

    ウェブサイト・ブログ運営

    <手軽さと拡張性のバランス>

    個人的なブログや小規模な企業のウェブサイトを運営する場合、最も手軽に始められるのは共用サーバーです。専門知識が少なくても、すぐにウェブサイトを公開でき、月額費用も抑えられます。まずはここからスタートし、アクセスが増えてきたら、よりリソースが豊富なVPS(仮想専用サーバー)や、柔軟にスペックを変更できるクラウドサーバーへの移行を検討すると良いでしょう。大規模なECサイトやメディアサイトなど、常に多くのアクセスが見込まれる場合は、初めから安定性の高い専用サーバーやクラウドサーバーを選ぶのが賢明です。

    メールサーバー

    <信頼性と管理のしやすさ>

    ビジネスにおけるメールの安定稼働は非常に重要です。共有サーバーのメール機能を利用することも可能ですが、送受信量が多い場合や、より確実なセキュリティを求める場合は、専用のメールサーバー機能を持つレンタルサーバープランや、独立したVPS、あるいはクラウドサービス(Google WorkspaceやMicrosoft 365など)の利用を検討しましょう。特に、迷惑メール対策やセキュリティ設定を細かく行いたい場合は、自由度の高いVPSやクラウドサーバーが適しています。

    社内システム・業務アプリケーション

    <安定性とセキュリティ、連携性>

    勤怠管理システム、顧客管理システム(CRM)、基幹業務システム(ERP)など、社内でのみ利用する重要な業務アプリケーションを稼働させる場合、最も重視すべきは安定性、セキュリティ、そして既存システムとの連携のしやすさです。この用途では、社内ネットワークからのみアクセス可能で、セキュリティを完全に自社でコントロールできる自社サーバー(オンプレミス)が有力な選択肢です。ただし、初期費用や運用管理の手間がかかるため、それが難しい場合は、専用のネットワーク設定が可能な専用サーバーや、セキュリティが強固なクラウドサーバーを選択することも考えられます。

    大容量データ保存・共有

    <柔軟性とアクセス性>

    デザインデータ、動画ファイル、大量の顧客データなど、大容量のファイルを保存・共有する目的であれば、柔軟に容量を増減できるクラウドストレージサービス(例:Google Drive, Dropbox, Amazon S3など)が非常に便利です。アクセス権を設定すれば、複数人での共有も容易です。サーバーを自前で持つ場合は、ストレージ容量を柔軟に拡張できるクラウドサーバーや、大容量ディスクを搭載できる専用サーバーが適しています。セキュリティ要件に応じて、アクセス制御や暗号化の機能も考慮に入れるべきです。

    開発・テスト環境

    <柔軟性とコスト効率>

    新しいシステムやアプリケーションの開発・テストを行う場合、重要なのは手軽に環境を構築・破棄できる柔軟性とコスト効率です。この用途には、必要な時に必要なだけリソースを確保でき、使った分だけ課金されるクラウドサーバーが最適です。短期間の利用であれば費用を抑えられ、開発チームが自由に環境を構築・変更できるため、開発効率の向上にもつながります。

    まとめ

    用途に合わせた最適な選択を

    この記事では、サーバーの種類ごとのメリットや、導入時の注意点について解説しました。
    サーバー選びは「何のために使うのか」という用途を明確にすることで、最適な選択肢が絞り込めます。現在の用途だけでなく、将来的にサーバーで実現したいことも含めて検討することで、導入後のミスマッチを防ぎ、ビジネスや活動をよりスムーズに進めることができるでしょう。

    運用にかかる費用や利用環境も異なるため、自社に最適な種類を選択することが重要です。サーバーを導入する際は、セキュリティ面や利用目的、そして保管したいデータやファイルの量に見合った種類を見極めるようにしましょう。

    貴社でサーバーを導入する具体的な用途は決まっていますか?もしよろしければ、どのような用途で検討されているか教えていただけますか?
    サーバー選びに関して、さらに詳しく知りたい点やご不明な点があれば、お気軽にご質問ください。


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