2024.06.01
データセンターのハウジングにおいて、物理的なサーバの増設は、スペース、電源、冷却といったリソースの制約を受けることがあります。しかし、仮想化技術の活用により、同一の物理サーバ上で複数の仮想マシンを稼働させることで、より柔軟なリソースの配分が可能になります。
また、モジュール型のデータセンターを採用している場合、必要に応じてモジュールを追加することで、物理的な拡張も比較的容易に行えます。
ハウジングは、企業のIT環境を柔軟に拡張できるという点で、大きなメリットをもたらします。ビジネスの成長や将来的なサーバー増設など、ITリソースの需要の変動が見込まれる際に、その変化に柔軟に対応できるスケーラビリティが、企業の成長を後押しします。
物理的なサーバー室を自社内に持つ場合、床耐荷重の限界や電源容量の上限(アンペア不足)によって、これ以上の機材増設が不可能になる局面が必ず訪れます。データセンターのハウジングは、こうしたファシリティの物理限界を最初からクリアしているだけでなく、ソフトウェアによる「仮想化(サーバー統合)」と組み合わせることで、限られたラック空間の投資対効果(ROI)を極限まで高めることができます。
需要の急増にも対応でき、ビジネスチャンスを逃しません。
突発的なユーザー数の増加やデータ量の急増に対しても、ハウジング内の高スペックな物理サーバー上に仮想マシンを数分で追加・コピー(プロビジョニング)することで、システムの処理能力をオンデマンドで底上げできます。インフラの遅れによる機会損失を完全に防ぎます。
必要最低限のリソースで運用し、無駄なコストを抑えます。
将来の最大負荷を見越して大量の物理サーバーをあらかじめ購入し、遊ばせておく必要はありません。最初はスモールスタートで物理サーバー数台と仮想化環境を構築し、ビジネスの拡大とともにラック内の密度を上げていく(スケールアップする)ことで、初期の設備投資(CAPEX)を最小化できます。
新しいサービスの立ち上げを迅速に行い、市場の変化に素早く対応できます。
開発部門から「テスト環境が急ぎで必要」と要求された際も、物理機材の発注・納品を待つことなく、ハウジング内の仮想化プールから余剰リソースを即座に切り出して提供できます。製品の市場投入までの期間(タイム・トゥ・マーケット)を劇的に短縮します。
大規模セール時のアクセス集中に備え、サーバーリソースを柔軟に増強。システムダウンを防ぎ、売上向上に貢献。
年末年始やブラックフライデーなど、特定の数日間にのみ通常の数十倍のトラフィックが押し寄せるECサイト。ハウジング内の仮想化ハイパーバイザーの割り当てを変更し、Webフロントエンドサーバーの並列数を一時的に拡張することで、高負荷によるカート落ちやページ遷移の遅延を防ぎ、購買体験の向上と売上の最大化を両立させています。
新規ゲームリリース時の利用者急増に対応し、安定したサービスを提供。プレイヤーの満足度向上に繋がる。
新作タイトルのローンチ直後は、予測を遥かに超えるプレイヤーが殺到し、ログインサーバーがパンクするリスクが常にあります。データセンターの柔軟な帯域変更サービスと、機敏な仮想サーバーの増設を組み合わせることで、リリース初日のメンテナンストラブルを回避し、ロイヤルティの高いスタートダッシュを決めることができます。
事業規模の変動に合わせて、柔軟にIT環境を拡張・縮小。資金効率の良い運用を実現。
サービスが急成長するフェーズでは、データセンター内の同じ列(アイル)の隣接ラックを速やかに追加契約し、物理・論理の両面からインフラをシームレスに大型化。万が一、事業のピボット(方向転換)が必要になった際も、仮想サーバーを削除してラックの契約スペースを縮小(スケールダウン)させることで、埋没コストを最小限に抑えられます。
AIやデータ分析基盤の導入に伴う、大量のストレージ・計算リソースの要求へ即座に対応。
社内のあらゆる業務データを集約し、AIによる需要予測やマーケティング分析を行うDXプロジェクト。データ量がテラバイトからペタバイト級へと爆発的に膨れ上がる中、データセンターの超高密度ラック(高電力が供給可能なラック)を活用して大容量ストレージを効率よく集約し、インフラの限界を感じることなくデータ利活用を突き進めています。
新しいテクノロジーを導入し、競争力を強化。
GPUサーバーや超高速NVMeストレージなど、発熱量が極めて大きく特殊な給電を必要とする最新のハードウェアでも、最先端の冷却設備(液冷システムや高効率空調)を備えたデータセンターであれば、ファシリティ側の制約を受けることなく安全に最先端技術を自社システムへ組み込むことができます。
災害発生時にも、迅速にシステムを復旧し、事業継続性を確保。
物理的なデータセンターの堅牢性に守られているだけでなく、仮想化技術と組み合わせることで「システム全体のイメージバックアップ」を容易に遠隔地データセンターへ転送・同期できます。万が一、メインのデータセンターが被災した際も、バックアップデータから別のデータセンターの仮想環境上へシステムを丸ごと短時間で復元(ディザスタリカバリ)することが可能です。
スペース、電源などリソースの増減が行えるかを確認しましょう。
見落としがちなのが「実効電源容量(1ラックあたりに供給可能な電力)」です。将来、高性能なサーバーを隙間なくラッキングしようとしても、電力上限が低いデータセンターでは「ラックのスペースは空いているのに、電力が足りなくてこれ以上機材を起動できない」という罠に陥ります。将来の拡張を見据え、高電力対応のラックが提供されているかを確認しましょう。
初期投資だけでなく、運用コストや追加費用も含めたトータルコストを比較し、費用対効果の高いサービスを選べます。
基本料金の安さだけで選ぶと、将来「ラックを拡張する際の手数料」や「回線帯域を広げるための追加費用」、「現地の物理作業を代行してもらうリモートハンド費用」が高額で、結果的にコストが跳ね上がる場合があります。将来の変更・拡張時の価格設定(メニュー表)まで事前に精査することが重要です。
サービスの安定性、可用性、パフォーマンスなど、具体的な数値目標が設定されたSLA(サービスレベルアグリーメント)を確認することで、サービス品質を保証できます。
「年間停電時間ゼロ(稼働率99.999%以上)」の保証や、データセンター内の空調温度・湿度の維持基準など、事業者がどのような法的責任を持ってインフラを維持しているかを確認します。厳しいSLAを掲げているデータセンターほど、ビジネスのインフラとして高い信頼を置くことができます。
障害発生時の対応スピード、復旧までの時間、サポート窓口の対応時間など、万が一の場合に迅速かつ適切なサポートが受けられる体制かどうかを事前に確認しましょう。
深夜2時や元日の早朝にハードウェア障害やネットワークの不通が発生した際、即座に電話がつながり、現地のエンジニアが目視で確認し、指定のケーブルを抜き差ししてくれるような「24時間365日の日本語フルマネージド体制」があるかどうかが、重大なインシデントにおける生死の分かれ目となります。
データセンターのハウジングは、企業のIT環境を成長させるための強力な基盤となります。スケーラビリティの高さは、企業が不確実な未来に対応し、新たなビジネスチャンスを捉える上で不可欠な要素です。
データセンターのハウジングは、単なるインフラの提供にとどまりません。それは、企業の成長を支え、新たな価値を生み出すためのパートナーでありたいと考えます。
物理的なハードウェアの信頼性と、仮想化による論理的な機敏性(アジリティ)。この2つが最高水準で融合する場所が、現代のデータセンターハウジングです。激変する不確実な市場環境の中で、インフラの制約を理由にビジネスの足を止めないためにも、柔軟なスケーラビリティを備えた強固なデータセンターを選定し、次なる成長への確固たる足場を築いていきましょう。
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自社の「データ保護の状況」に不安を感じていても、どこから手をつけるべきか迷うシステム担当者様は少なくありません。まずは社内での「セルフチェック」による現状把握や、上長への説明・稟議の材料として、以下のお役立ち資料をぜひご活用ください。
