2024.07.31
データセンターを利用する際に、必ず目にするのが「サーバーラック」です。サーバーラックは、サーバーやネットワーク機器を安全に収納するための棚のようなもので、データセンターの基幹となる設備の一つです。この記事では、サーバーラックの概要、規格、そして選び方について詳しく解説します。
サーバーラックは、主にデータセンター内で使用される、サーバー機器を保管するためのラックのことです。サーバーラックを利用することで、以下のようなメリットがあります。
頑丈なスチール製の筐体や施錠機能により、外部からの物理的な衝撃、不正な接触、および空気中のほこりや微粒子から精密機器を保護します。また、耐震免震構造への固定を可能にし、地震時の転倒や位置ズレを防ぎます。
マウントレールを用いてサーバーを垂直方向に積み重ねて配置できるため、限られたデータセンターのフロア面積(フットプリント)を最大限に活用し、高密度なシステム構築を実現します。
ラックの前面から冷気を取り込み、背面から暖気を逃がす空気の流れ(気流)を設計通りに制御できます。これにより、サーバーから発生する熱を効率的に排出し、局所的な熱だまりを防ぎます。
サーバーラックのサイズは、一般的にEIA(米国電子工業会)規格に準拠しています。EIA規格では、ラックの内幅が19インチ(482.6mm)、マウント穴の間隔が定められており、高さは1U(1.75インチ=44.45mm)という単位を基準に設計されています。これにより、様々なメーカーの機器を互換性を持ってスムーズに設置することができます。一般的には、高さ42U〜47U前後のフルサイズラックがデータセンターの主流です。
サーバーラックを選ぶ際には、以下の点に注意しましょう。
設置する機器のU数(高さ)の合計だけでなく、ケーブルの配線スペースを考慮した「有効内寸の奥行き」が重要です。近年のハイエンドサーバーは奥行きが深いため、ラックの外寸が1000mm〜1200mm程度あるワイド・ディープタイプが必要になるケースが増えています。
設置する機器、PDU(電源タップ)、および配線ケーブル全体の総重量に耐えられる強度があるか確認しましょう。特に「静止状態での耐荷重(1000kg〜1500kg等)」だけでなく、機材を搭載したままラックを移動させる可能性がある場合は「移動時の耐荷重(動荷重)」も必ず確認が必要です。
空調冷却を行う場合、前面と背面のドアのメッシュ開口率(一般的に80%以上が推奨)を確認し、排熱を妨げない構造かチェックします。また、ラック内部で冷気と暖気が混ざらないよう、未使用のU数を塞ぐ「ブランクパネル」やケーブル通し穴を塞ぐ「ブラシパネル」の取り付けやすさも重要です。
物理的な鍵(シリンダー錠)だけでなく、鍵を取り出す際のチェック体制や認証など、セキュリティ対策がしっかりされているか確認しましょう。近年では、誰がいつラックを開閉したかをログとして記録できる「ICカード認証錠」や「生体認証付き電子ハンドル」を導入し、厳格な入退室・アクセス管理と連動させる運用が推奨されています。
サーバーラックは、データセンターを利用する上で欠かせない設備です。単なる「機材の置き棚」ではなく、システムの可用性、セキュリティ、そして冷却効率を左右するインフラの土台と言えます。この記事で紹介したサイズ、耐荷重、冷却、セキュリティの基準を参考に、自社のニーズに合った最適なサーバーラックを選んでください。
「データ保護」とバックアップの要点を3分動画で分かりやすく解説しています。まずは以下よりご覧ください。
自社の「データ保護の状況」に不安を感じていても、どこから手をつけるべきか迷うシステム担当者様は少なくありません。まずは社内での「セルフチェック」による現状把握や、上長への説明・稟議の材料として、以下のお役立ち資料をぜひご活用ください。
