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    データセンターとクラウド、どっちを選ぶ?
    あなたのビジネスに最適な環境は?

    はじめに

    自社のシステムを安定稼働させたいけど、どこでサーバーを置けばいいのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。データセンターとクラウド、どちらを選ぶべきか迷っている方もいるかもしれません。

    この記事では、データセンターとクラウドの違いと、それぞれのメリット・デメリットを詳しく解説します。あなたのビジネスに最適な環境を選ぶための参考にしてください。

    データセンターについて

    データセンターとは、企業のサーバーをまとめて置くための施設です。いわば、企業のIT機器のための「マンション」のようなものです。データセンターには、サーバーを動かすための電力やネットワークはもちろん、セキュリティ対策も万全に整えられています。

    企業が自社でサーバーなどのハードウェアを購入し、データセンターのラックやスペース、回線を借りて設置・運用する形態(ハウジング/コロケーション)が一般的です。物理的な機材はすべて自社の資産となるため、インフラの構造を完全にコントロールしたい企業に適しています。

    データセンターのメリット

    高いセキュリティ

    厳重なセキュリティ対策が施されているため、データ漏洩のリスクを大幅に減らせます。

    生体認証(虹彩や指紋)による何重もの入館チェック、監視カメラによる24時間監視、金属探知機ゲートなど、一般的なオフィスビルでは到底不可能な物理セキュリティが提供されます。これにより、部外者の物理的なサーバー接触や盗難を完全に防ぎます。

    安定稼働

    高品質な電源や空調設備により、サーバーを安定稼働させることができます。

    落雷や地域の停電が発生しても、大型のUPS(無停電電源装置)や自家発電機が即座に作動し、サーバーへの給電を継続します。また、精密機械の天敵である熱や湿度をコントロールする強力な空調や、ガスによる消火設備も完備されています。

    柔軟な拡張性

    必要に応じて、簡単にサーバーを増設したり、スペックを変更したりすることができます。

    契約しているラックスペースの範囲内であれば、自社が選定した最新の超高性能サーバーや、特殊な周辺機器を自由に追加・組み替えできます。メーカーの制限を受けずに、自社の理想とするハードウェア構成を突き詰めることが可能です。

    物理的な管理

    サーバーを物理的に管理できるため、細かい設定やトラブルシューティングが可能です。

    OSより下のレイヤー(BIOSやファームウェア)のカスタマイズや、自社固有の特殊な配線設計が可能です。万が一のハードウェア故障時にも、自社エンジニアやメーカーの保守員が直接現地に赴き、その場でパーツ交換などの迅速な対応を行えます。

    データセンターのデメリット

    初期費用が高い

    サーバーやネットワーク機器の購入、データセンターの利用料金など、初期費用がかかります。

    数百万〜数千万円規模のハードウェア初期投資に加え、データセンターとの回線引き込み工事費、保証金などが契約時に発生します。資産としての減価償却手続きなど、財務的な処理の手間も発生します。

    運用管理の負担

    サーバーの設置や管理、ソフトウェアのアップデートなど、運用管理の負担が大きくなります。

    機器にランプのエラーが出れば、データセンターまで足を運んで確認・交換作業をしなければなりません。ハードウェアの老朽化に伴う5〜7年周期の「システムリプレイス(機材の買い替えとデータ移行)」も、自社スタッフの大きなリソース負担となります。

    クラウドについて

    クラウドとは、インターネットを通じて利用できるコンピューティング資源のことです。サーバーだけでなく、ストレージやネットワークなども、インターネット経由で利用できます。

    データセンターが「物理的な場所の賃貸」であるのに対し、クラウドは「仮想化されたコンピューティング機能のレンタル」です。ユーザーは物理的なサーバーの存在を意識することなく、いつでも必要な時に必要な分だけITリソースをWeb上から呼び出して利用します。

    クラウドのメリット

    低コスト

    初期費用が抑えられ、利用量に応じて料金を支払うことができるため、コスト削減につながります。

    物理機器を一台も購入する必要がないため、初期投資はほぼゼロからスタートできます。使わなくなったらその日のうちに解約して課金を止められるため、新規事業のスモールスタートや実験的な開発において圧倒的なコスト優位性があります。

    柔軟性

    サーバーの規模を簡単に変更でき、ビジネスの成長に合わせて柔軟に対応できます。

    データセンターであれば機材の発注・納品・設置に数週間かかるようなスペック増強(メモリやCPUの追加)も、クラウドなら管理画面から数クリック、わずか数分で完了します。アクセス急増時の一時的なパワーアップも容易です。

    運用管理の負担軽減

    クラウドサービス提供者がシステムの管理を行うため、運用管理の負担が軽減されます。

    物理的なハードウェアの故障対応、データセンターの空調管理、電源の保守などはすべてクラウド事業者が裏側で行います。自社のIT人材は機材の手配や配線作業から解放され、アプリケーション開発などのコア業務に専念できます。

    クラウドのデメリット

    セキュリティへの不安

    自社で管理していないため、セキュリティ面で不安を感じる方もいます。

    他の多くの企業と同じ巨大なパブリックインフラを「論理的に区切って」共有する仕組みであるため、データが物理的にどこに保存されているか見えにくいという特徴があります。業界の監査基準によっては、この「物理的な所在の不透明さ」が課題になる場合があります。

    ネットワーク環境に依存

    インターネット環境に依存するため、通信障害が発生するとサービスが利用できなくなる可能性があります。

    どれほど高性能なクラウドシステムであっても、社内オフィスからのネット回線、あるいはクラウド事業者側の接続拠点で障害が起きれば、システムへのアクセスルートが完全に断絶されてしまいます。

    ベンダーロックイン

    特定のクラウドサービスに依存してしまうと、乗り換えが難しくなる場合があります。

    そのクラウド独自の便利な標準機能やデータベースに依存してシステムを作り込むと、将来的に別のクラウドや自社データセンターへシステムを引っ越しさせたいと考えた際、プログラムの全面書き換えが必要になり、莫大なスイッチングコストが発生します。

    データセンターとクラウド、どちらを選ぶべき?

    どちらを選ぶべきかは、企業の規模、予算、セキュリティ要件など、様々な要因によって異なります。

    自社のデータの機密性が高い場合

    自社で管理できるデータセンターが適しています。

    業界の規制や社内規程により「データが保管されているハードウェアを自社の目で物理的に管理・確認できなければならない」という厳しいコンプライアンス要件がある場合は、データセンター(ハウジング)の一択になります。

    柔軟なスケールアップ・スケールダウンが必要な場合

    利用状況に応じて柔軟にリソースを増減させたい場合は、クラウドが適しています。

    アクセス数の予測が難しいBtoCのWebサービスやECサイト、あるいはキャンペーン特設サイトなど、状況に応じてインフラの大きさを臨機応変に変えたいビジネスにはクラウドが最適です。

    初期費用を抑えたい場合

    初期投資を最小限に抑えたい企業にはクラウドが適しています。

    スタートアップ企業や、予算の限られた新規プロジェクトにおいて、インフラへの過度な先行投資を避け、キャッシュフローを営業やマーケティング活動へ集中させたい場合に適しています。

    安定した運用環境を求める場合

    高い信頼性と可用性を求め、自社でインフラを厳密に管理したい場合は、データセンターが適しています。

    システムのパフォーマンスにコンマ数秒の遅延(レイテンシー)も許されない基幹業務や、クラウド事業者の都合による突然の仕様変更・メンテナンスに振り回されたくないシステムは、自社で100%管理できるデータセンターが安心です。

    安定性と柔軟性を両立させたい場合

    ハイブリッドクラウドやマルチクラウドを検討することも可能です。

    「すべてをどちらか一方に寄せる」必要はありません。両者の良い部分をネットワークで繋ぎ合わせ、役割分担をさせる設計が現代の標準的な選択肢となっています。

    「大規模なWebサービスを安定稼働させたい」という場合は、「データセンターでコアシステムを構築し、負荷の変動が大きい部分はクラウドで補完する」といったハイブリッドな構成が考えられます。
    「新しいサービスを迅速に立ち上げたい」という場合は、「まずは最小限の機能をクラウドで構築し、利用状況に応じて拡張していく」という方法も有効です。

    まとめ

    データセンターとクラウド、それぞれにメリットとデメリットがあります。
    ハイブリッドクラウドと呼ばれる、データセンターとクラウドを組み合わせた利用方法や複数のクラウドサービスを組み合わせたマルチクラウドも含めて検討することで、リスク分散やコスト削減を実現できます。
    どちらを選ぶべきか迷ったら、自社の状況に合わせて、専門家にご相談することをおすすめします。

    判断のポイントは、インフラを「資産として所有し、完全にコントロールしたい(データセンター)」のか、それとも「サービスとして利用し、スピードと柔軟性を最優先したい(クラウド)」のかという、ビジネスの目的そのものにあります。自社の5年、10年先を見据えたIT戦略に合わせて、最適なバランスを見極めていきましょう。


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