2024.10.08
近年、企業のIT環境は多様化しており、オンプレミスとクラウドを組み合わせたハイブリッドクラウドが注目を集めています。本記事では、ハイブリッドクラウドの仕組み、メリット、そして具体的な活用ケースをご紹介します。
ハイブリッドクラウドとは、オンプレミス(自社サーバ)とパブリッククラウド、プライベートクラウドなどを組み合わせたIT環境のことです。それぞれの環境のメリットを活かし、企業のニーズに合わせた柔軟なシステム構築を可能にします。
単に複数の異なるインフラをバラバラに契約する「マルチクラウド」とは異なり、それぞれの環境が専用線やVPNなどのネットワークでセキュアに「相互連携」している点が大きな特徴です。これにより、データやアプリケーションを環境間でシームレスに移動・同期させ、1つの統合されたシステムとして機能させることができます。
ハイブリッドクラウドを導入することで、以下のようなメリットが期待できます。
複数の環境にデータを分散することで、災害やサイバー攻撃など、万が一の事態が発生した場合でも、事業継続性を高めることができます。
例えば、メインの業務システムをオンプレミスで稼働させつつ、バックアップや待機用の災害復旧(DR)環境をパブリールクラウド上に構築しておくことで、物理的な被災時にも数分〜数時間でクラウド側へシステムを切り替え、業務を継続することが可能です。
特定の環境に依存せず、リスクを分散させることで、システム全体の安定性を向上させることができます。
万が一パブリッククラウドの事業者に大規模なネットワーク通信障害が発生した場合でも、社内の基幹データや重要な認証基盤をオンプレミスや独立したプライベートクラウドに維持していれば、全社的な業務停止という最悪のシナリオを回避できます。
利用状況に応じて、最適な環境を選択することで、コストを削減することができます。
24時間365日、一定の負荷で動き続ける安定したベースシステムは、長期的なコスト効率が良いオンプレミスや固定料金のプライベートクラウドに配置。一方で、キャンペーンやデータ集計時など、一時的にリソースが必要になる処理だけをパブリッククラウドの従量課金枠へ逃がすことで、IT投資の無駄を徹底的に排除できます。
事業規模の変化やシステムの複雑化に対応するために、柔軟にシステムを拡張することができます。
自社サーバーの容量が限界に達した場合でも、ハードウェアを買い足すことなく、クラウド側のストレージや計算リソースを動的に連結させることで、既存のアーキテクチャを活かしたまま「実質無限」の拡張性を手に入れることができます。
ハイブリッドクラウドは、様々な業界で活用されています。
FISC(金融情報システムセンター)の安全対策基準を満たす強固な社内インフラで口座情報を厳重に保護する一方、FinTechアプリのフロントエンドや、マーケティング用の非識別化された行動ログ分析にはパブリッククラウドを活用し、トレンド変化の速い消費者ニーズに迅速に応えています。
工場の製造ラインを制御するリアルタイム性の高いシステムは、低遅延(ローカル通信)が必須のためオンプレミスに配置。そこから抽出された膨大な稼働ログ履歴はクラウドへと吸い上げ、機械学習モデルを用いて部品の摩耗や故障予測を行うといった、エッジ(現場)とクラウドの役割分担がなされています。
会員マスタや過去の購買履歴などのコア資産は自社のセキュアなサーバーで安全に保管しながら、テレビ放映や大型セールの影響でアクセスがスパイクするECサイトのフロントサーバー群のみを、パブリッククラウドのオートスケーリング(自動拡張)機能で受け止める構成が主流となっています。
ピーク時の処理負荷が高いシステムはパブリッククラウドで、常時安定した処理が求められるシステムはプライベートクラウドで運用することで、コスト効率と安定性を両立。
同じクラウドでありながら、完全に自社専用の占有環境(プライベート)と、他社と共有する高性能なインフラ(パブリック)をAPIでシームレスに直結。社内の法務や監査部門のOKが出やすい安全性を確保しつつ、最先端のSaaSやAI機能ともスムーズなシステム連携を可能にします。
基幹システムはオンプレミスで、新たなサービス開発にはパブリッククラウドを活用することで、既存システムへの影響を抑えながら、迅速なサービス提供を実現。
長年自社で魔改造を重ねてきたレガシーな基幹システムには手を触れず、その手前に中継用の連携用システムを構築。パブリッククラウド上に構築した最先端のWebフロントやモバイルアプリから、必要なデータだけをオンプレミスへ安全に照会しに行く「攻めと守り」のIT戦略を具現化できます。
既存のオンプレミス環境を拡張するために、プライベートクラウドを導入し、システムの柔軟性を向上。
自社保有のサーバー(オンプレミス)資産を延命しつつ、データセンター事業者などが提供するマネージドなプライベートクラウドへ一部のシステムを外出しします。物理的な機材管理の手間(ハードの故障対応や老朽化対策)を徐々に減らし、仮想化された柔軟なインフラ運用へとスムーズにシフトしていくステップとして有効です。
自社でサーバーを設置したいが、運用が難しい場合に、ハウジングサービスを利用し、クラウドサービスと連携する。
特殊な暗号化ハードウェア(HSM)や、どうしてもクラウド化できない固定ライセンスの大型サーバーを、堅牢なデータセンター(ハウジング・コロケーション)に預け、そこからパブリッククラウドへ「超高速かつ低遅延な専用回線」で直結する手法です。社内にサーバー室を置くリスクを排除しつつ、クラウドの機敏性を同期させることができます。
ハイブリッドクラウドは、企業のIT環境を最適化するための強力なツールです。それぞれの企業のニーズに合わせて、最適な組み合わせを選択することで、ビジネスの成長を加速させることができます。
ただし、複数の環境を跨ぐため「ネットワークのボトルネック(遅延)」や「運用の複雑化」という新たなハードルも生まれます。まずは、自社のどのデータがどこにあるべきかという「適材適所」のルールを明確にし、段階的に環境を統合していくロードマップを描くことが成功への近道です。

データ移行チェックリスト~移行前に確認すべき10の項目~
データ移行のよくある失敗と対策
分析ツール「ZiDOMA data」(14日間トライアル)
ツリー表示とサイズ表示により、容量が大きいディレクトリを階層的に掘り下げていくことで、肥大化の原因を素早く特定できます。
ファイルの作成・更新・アクセス日時からの経過時間を色の濃淡で表示し、直感的に使用状況を把握できます。
また、長期間アクセスされていない未使用ファイルをリスト化し、整理に役立てることが可能です。
ファイルの種類(所有者、拡張子、サイズ)別の使用容量を円グラフで表示します。
これにより、容量を多く占めているファイルを効率的に見つけ出し、優先的に整理することで、効果的な容量削減につながります。
| 項目 | 推奨値 |
| OS | Windows Server 2012 R2/2016/2019/2022 Windows 10/11 21H2以降 ※1 |
| CPU | 2コア以上 |
| Memory | 8GB以上 |
| Disk | 100GB以上 |
| Network | 1Gbps以上 ※2 |
※1 いずれも64ビット版のみ対応
※2 大規模データ移行を行う場合は10Gbpsを推奨
※トライアル版は14日間ご利用いただけます。 また、一部機能をご利用いただけません。