2024.10.15
近年、働き方の多様化やデジタルトランスフォーメーションの加速に伴い、多くの企業がオンプレミスをクラウドへ移行する検討を進めています。クラウド化は、コスト削減や柔軟なスケーリングなど、さまざまなメリットをもたらしますが、一方で、セキュリティや移行に伴う課題も存在します。
本記事では、オンプレミスをクラウド化するメリット・デメリット、そして成功させるための注意点について解説します。
ハードウェアの購入や設置、ソフトウェアのライセンス費用、人件費など、オンプレミス環境で発生する多くのコストを削減できます。
これまでの「数年ごとに発生する高額なサーバー機器の買い替え(キャペックス:資本的支出)」から、毎月使った分だけを支払う「経費化(オペックス:事業運営費)」へシフトできるため、企業の財務計画の見通しが立てやすくなります。また、データセンターの電気代や空調管理費、物理的な保守要員の人件費も削減可能です。
事業の拡大や縮小に合わせて、必要なリソースを迅速に増減できます。
オンプレミスのように「将来の最大トラフィック」を予測して過剰なスペックの機器をあらかじめ買っておく必要はありません。ユーザー数やデータ量の増加に合わせて、管理画面から数クリックでCPUやストレージを拡張できるため、ビジネスの機会損失を防ぎます。
クラウドサービスは、複数のデータセンターで冗長化されており、災害時にもデータの安全性を確保できます。
自社ビルが地震や火災、停電などの被害に遭った場合でも、クラウド上のシステムやデータは地理的に離れた堅牢なデータセンターに自動でバックアップされているため、業務を中断することなくリモートワーク等で継続可能です。
クラウドサービスは、常に最新の技術が提供されるため、自社でインフラを構築・管理する手間が省けます。
生成AI、機械学習、高度なビッグデータ分析基盤など、自社でゼロから構築すると莫大な投資が必要になる最先端のテクノロジーを、APIや標準サービスとして即座に自社システムへ組み込むことができます。
クラウドサービスを利用する場合、自社のデータが外部のサーバーに保管されるため、情報漏洩のリスクが高まります。
ただし、これはクラウド事業者側のセキュリティが脆弱という意味ではありません。設定ミスによるデータの「誤公開」や、不適切なアクセス権限の付与といった「利用企業側の運用ミス」が原因となるケースが大半を占めるため、利用側のリテラシー向上が求められます。
特定のクラウドサービスプロバイダーに依存してしまうと、サービス変更が困難になる場合があります。
そのベンダー独自の機能やデータベースを多用しすぎると、将来的に他社クラウドやオンプレミスへ再移行(切り戻し)したいと考えた際、システムの再構築に膨大なコストと期間がかかる「囲い込み」の状態に陥るリスクがあります。
インターネット接続が切断されると、サービスが利用できなくなる可能性があります。
社内のネットワーク障害やプロバイダーの通信障害が発生した場合、クラウド上の業務システムやファイルサーバーへのアクセスが全面的にストップします。そのため、オフィスの回線を冗長化(2回線化)するなどの物理的なバックアップ対策が必要です。
クラウド化によって何を達成したいのか、明確な目標を設定することが重要です。
「競合他社がやっているから」「社内のシステムが古くなったから」という理由だけで進めると、移行後に「思ったよりコストが下がらない」「使い勝手が悪くなった」という不満に繋がりかねません。「運用負荷の30%削減」や「新規サービス立ち上げの迅速化」など、具体的な経営・業務上のKPIを定めて共有しましょう。
自社の業務内容や規模に合ったクラウドサービスを選択しましょう。
クラウドには、インフラのみを提供する「IaaS」、開発環境を提供する「PaaS」、アプリケーションそのものを利用する「SaaS」などの形態があります。既存のシステムをそのまま移行する(リフト)のか、これを機に既製のSaaSに業務を合わせる(シフト)のか、自社の運用能力に合わせた見極めが必要です。
アクセス権限の管理、暗号化、定期的なセキュリティ監査など、適切なセキュリティ対策を講じましょう。
クラウドは「責任共有モデル」という原則に基づいています。インフラ(プラットフォーム)の安全は事業者が保証しますが、その上で動くデータやアクセス権の管理は「企業の自己責任」となります。社外からのアクセスを前提とした多要素認証(MFA)の導入や、通信の暗号化を徹底する必要があります。
移行期間、移行手順、リスク対策などを事前に計画し、スムーズな移行を実現しましょう。
稼働中のシステムを止める時間を最小限に抑えるため、データの移行経路や切り替えのタイミングを綿密にリハーサルしておく必要があります。また、万が一移行中に予期せぬエラーが発生した場合、即座に元のオンプレミス環境に切り戻せる「フォールバックプラン(退避計画)」の用意が不可欠です。
クラウド化は、企業のIT環境を革新し、ビジネスの成長を加速させるための強力な手段です。しかし、メリットだけでなく、デメリットや注意すべき点も理解した上で、慎重に検討を進めることが重要です。
すべてのシステムを一度にクラウド化しようとするのではなく、まずは周辺の軽いシステムから段階的に移行し、社内にノウハウを蓄積しながら適用範囲を広げていくことが、失敗のリスクを抑え、クラウドの恩恵を最大化するための賢明なアプローチです。

データ移行チェックリスト~移行前に確認すべき10の項目~
データ移行のよくある失敗と対策
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ツリー表示とサイズ表示により、容量が大きいディレクトリを階層的に掘り下げていくことで、肥大化の原因を素早く特定できます。
ファイルの作成・更新・アクセス日時からの経過時間を色の濃淡で表示し、直感的に使用状況を把握できます。
また、長期間アクセスされていない未使用ファイルをリスト化し、整理に役立てることが可能です。
ファイルの種類(所有者、拡張子、サイズ)別の使用容量を円グラフで表示します。
これにより、容量を多く占めているファイルを効率的に見つけ出し、優先的に整理することで、効果的な容量削減につながります。
| 項目 | 推奨値 |
| OS | Windows Server 2012 R2/2016/2019/2022 Windows 10/11 21H2以降 ※1 |
| CPU | 2コア以上 |
| Memory | 8GB以上 |
| Disk | 100GB以上 |
| Network | 1Gbps以上 ※2 |
※1 いずれも64ビット版のみ対応
※2 大規模データ移行を行う場合は10Gbpsを推奨
※トライアル版は14日間ご利用いただけます。 また、一部機能をご利用いただけません。