2024.11.15
企業にとって、サーバーの障害は、業務の中断やデータの損失といった深刻な問題を引き起こす可能性があります。このようなリスクに備え、データの保護対策を講じることが不可欠です。
その対策の一つとして、レプリケーションとバックアップが挙げられます。しかし、両者の違いや、それぞれがどのような状況で有効なのか、といった点がご不明な方も多いのではないでしょうか。
この記事では、レプリケーションとバックアップの違い、それぞれのメリット・デメリット、そしてレプリケーションを導入する際の注意点について解説します。
レプリケーションは、データをリアルタイムまたはほぼリアルタイムで複製し、別の場所に保存する技術です。災害や障害が発生した場合、複製されたデータを活用することで、迅速にシステムを復旧できます。
リアルタイムまたはほぼリアルタイム
迅速な復旧
遠隔地など、障害発生時にもアクセス可能な場所
・迅速な復旧が可能
・事業継続性の向上
・コストが高い
・ストレージ容量を多く消費
バックアップは、特定の時点でのデータをコピーして保存する技術です。主に、データの復元や過去のデータの参照に利用されます。
定期的
データの保存、復元
ローカルまたはオフサイトストレージ
・コストが比較的低い
・過去のデータを保存できる
・復旧に時間がかかる
・最新のデータが反映されていない可能性がある
レプリケーションは、迅速な復旧が求められるミッションクリティカルなシステムに適しています。一方、バックアップは、データの長期保存や過去のデータの参照に適しています。
多くの場合、レプリケーションとバックアップを組み合わせることで、より強固なデータ保護を実現できます。
複製先のデータセンターとの間で、高速かつ安定したネットワーク環境が必須です。
複製データの保管場所として、十分なストレージ容量を確保する必要があります。
レプリケーションシステムの導入・運用には、一定のコストがかかります。
複製されたデータと元のデータの整合性を常に確認する必要があります。
レプリケーションとバックアップは、どちらも重要なデータ保護手段ですが、それぞれの特性が異なります。自社のシステムの重要度や、求められる復旧時間など、様々な要素を考慮して、最適な組み合わせを選択することが重要です。